<空想科学祭2009>レビュー/感想掲示板



[11] 「イシスの記憶」葛城 炯 Name:空想科学祭2009 Date:2009/09/01(火) 06:31 [ 返信 ]
【題名】イシスの記憶
【あらすじ】宇宙移民船カルネアデスを統括するイシスの記憶
【名前】葛城 炯
【URL】http://ncode.syosetu.com/n8682h/

※「イシスの記憶」「イシスの記憶 2〜5」は連作のため、投票アンケートは共同となっています。



[32] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:憂国万歳 Date:2009/09/01(火) 23:59
ノスタルジックという言葉は、大抵が田舎町の風景を見たときに使う物とばかり思っていました。SFで、しかも宇宙で、さらには人工知能の話なのに。……と、これ以上書くとSF読んだことねーだろ、と言われてしまう(もう言われてる)ので止めます。
二人の会話と端々から見える舞台背景が秀逸です。読み終わった後にもう一度前書きの言葉を読むと……。
何を書いても無粋になってしまいそうな、そんな作品でした。


[38] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:尚文産商堂 Date:2009/09/02(水) 10:02
表示されている日付と、会話の中に出てくる日付が違っていたように思えて、最初は混乱してしまいましたが、読み進めていくうちにその矛盾についても説明がつくようになっており、良作に仕上がっていると思います。
コスモゲートという、長距離飛行を可能にするための装置の修理という話にもかかわらず、ここまで読みごたえのある作品へと仕上げるその手腕には、舌を巻くばかりです。

[63] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:オロチ丸W0632Aj HOME Date:2009/09/03(木) 20:22
 2・3回読んで、どういう事なのかが理解出来ました。
 成程、回想しながらという訳ですね。
 原案の、『カルネアデスに花束を』と共に、拝読させて頂きましたが、なんか切ないですね。
 娘さんが目覚めた時が、心配です。
 
 語れば語るほど、無粋な気もしてくるので、この辺りで締めさせて頂きます。


[79] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:栖坂月 Date:2009/09/05(土) 20:45
人間という存在が将来、外宇宙へと飛び出して行った時に、人間として大きな選択を迫られるような気がしています。
孤独か、共生か。
社会的動物である人間は『一人では生きられない』などと口にはしますが、将来的に人間は孤独の方を好むような気がしています。もちろん、人間に代わるパートナーの存在は不可欠になろうとは思いますが。
そんなことを思ってしまう私にとって、この作品はツボでした。イシスという存在の設定というか、輪郭も素晴らしいと思うのですが、相棒を相手にする『彼女』の言動が実に興味深く、一定のリアリティを感じることができました。
似たような話を構想したことはありましたが、ここまで見事に収めることは、私にはできそうもありませんね。


[144] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:ラヒチ Date:2009/09/18(金) 18:32
人生を左右する事件は日常の至る所に埋め込まれている、そんなことをこの“SF作品”で思い出してしまいました。大きな事件が起きるわけでもなく、静かに展開する宇宙船内部での“植物学者”と“機械”の会話。ただ学者である彼女が大事に育てている植物ではなく機械である“私”を相棒と呼ぶところに、この物語の芯にある温かさを感じました。この文字数でこの読後感、余韻はすごい、というより素晴らしい。

[147] 余韻を残しますね Name:かーみゅん7号 Date:2009/09/20(日) 00:59
サイトのランダムジャンプから飛んで来ました、初めまして。拝読しました。
正直、最初の方は失礼ながら読み流しで読んでいたのであんまり頭には入ってこれずでしたが、最後に近づくにつれ、途中までの経過、機械と人間、しかも人間が植物学者。それだけではありませんが、箇所箇所に対比された効果が出ていると思いますので、とても最後に切なくなりました。短い話のなかでも設定勝ちなのではないか、と窺えます。

面白かったです。ありがとうございました。


[152] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:改札口 Date:2009/09/20(日) 11:58
少ない文字数で読者にテーマやSF小説の場合は背景や設定などをわかりやすく伝えるのは作者の力量が顕著に現れます。

学者と機械の交流が物語の軸となっていますが、得てしてこういった会話によりストーリーが進行していく小説は、二人(?)だけの狭い範囲や視野になってしまいがちですが、本作はちゃんと彼女らの目的背景などを描き切っている点は素晴らしいと感心した。
二人の会話も一人称ながらも相方の心情の変化も読み取りやすく、だからこそ最後に深い余韻を読者に与えるのだろう。
冒険しようという試みはないが、始終安定した秀作という言葉がピッタリの作品ではないだろうか。


[178] 感想 Name:中瀬美嘉 Date:2009/09/23(水) 01:34
 去年のラプラスシリーズもおもしろかったが、今回も期待できそうだ。そう思わせてくれる静かな力強さがある。
 二人の会話の自然さがいい。断片的ながらも確かな流れを作っている。途切れることの意味をしっかり持っていて、再開するたびに彼女は人間味を増してくる。
 途中から彼女が何者であるのか感じ取れるが、それにしてもかわいらしい存在ではないか。健気で無垢で、真っ白なカンバスに初めて色を載せていくのに似た感覚で感情を増やしていく。
 その専門用語や知識もすばらしいが、こうした些細な出来事をモチーフにしながらも、優しく纏める力量には感服する。


[180] 平穏に滲む無常 Name:秋は戻り鰹 Date:2009/09/23(水) 07:16
 星間輸送船の制御コンピューターが語る、ある植物学者の回想録。作者の語り口(ここではイシス)が穏やかで優しいせいだろうか、何事にも動じない静かな時間が背景に流れていることを意識させる。それはヒトの人生にとって悠久と呼べるであろう長い長い時間を想起させる。
 輸送船と植物というと話の内容は全く違うが、SF映画の名作、サイレントランニングを思い出す。あの映画も背景に永遠という計り知れない静かな時間があった。心踊り胸高まる冒険に満ちた宇宙もいい。しかし、本来、宇宙とはヒトから見れば永久無限の空間、そう、超新星の爆発や一つの惑星の消失、数千億の生物の一瞬の死など芥子粒のような出来事になってしまうほどの無慈悲な空間なのだ。静かな語り口にのせて、その宇宙に存在する小さな存在の人間やその創造物の儚さを意識させる佳作。
昨年、5作をリンクさせた作者、今年は何作リンクするのだろうか?


[417] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:右野前条 Date:2009/10/22(木) 00:10
最初の十数行で一気に正統的SFの世界に引き込んで、唐突にイチゴにミツバチ。
それだけの落差ながら、まったく不自然さを微塵も感じさせない文章に、まず脱帽した。
ある種の諧謔に満ちた"イシス"と"彼女"とのやり取りが流れるように続き、一時も飽きさせない。
結末についての詳しいコメントは控えるが、秋の夜長に拝読して、宇宙の静寂が広がるような余韻が読後に広がったと記しておきたい。


[454] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:鳥野 新 Date:2009/10/24(土) 09:44
連作なので一つにまとめて感想を書こうかと思いましたが、ひとつひとつ味わいが違うので、やはり分割して書かせていただきます。

私はイシス。
ここから始まるなんともいえない静謐な物語。
コスモゲートを修理するというミッションを二人の会話でつづっていますが、なんともいえない絶妙の間合いでした。
読み終わったあとも、余韻の残る一作でした。


[645] RE:「イシスの記憶」葛城 炯 Name:葛城 炯 HOME Date:2009/11/28(土) 21:06
 皆様、感想を頂きありがとうございます。

 この作は「カルネアデスに花束を」の続編として考えました。
 『彼女』がいなくなった後、イシスが何を思い、どんな旅をしているのだろう? というちょっとした疑問に対する答えとして思いついたモノです。
 ただ、『彼女』とイシスの最後の会話自体はこの時に既に考えていましたが、この中には納まりませんでした。
 そのため続編を考えましたが、『2』は全く別な話を考えていました。

 コスモゲート自体は単なる舞台として思いついたモノです。
 考えた後でそんな装置があったとしても人類は別の銀河までは辿り着けないのだろうなぁと感慨に耽り、このような作となりました。

 シャッフルしたのは『だまし絵』のような話にしたいなと思っただけです。
 一つのパズルではなく複数のパズルでできている。そして読み返して気づいて貰いたいというのが私の究極の目標です。
 そのための一つとして試行したモノです。

 読んで頂きありがとうございました。


  


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