<空想科学祭2009>レビュー/感想掲示板



[65] 「Black Book for Busters」薙月 桜華 Name:空想科学祭2009 Date:2009/09/03(木) 23:35 [ 返信 ]
【題名】Black Book for Busters
【本文】
ある日、鈴花は学校にある「開かずの間」で黒い本を拾った。しかし、本は消えてしまう。
次の日、教室にてみんなが居る中で昨日見た本を再び見つける。しかし、今度はみんなが消えてしまう。
戸惑う鈴花、突きつけられた現実、この世界を脅かす脅威。
何時も見る世界と瓜二つの世界で、鈴花は黒い本、本の番人ハルと共にこの世界に侵入した敵に立ち向かう。
それが、大切なものを破壊する行為だとしても。
【名前】薙月 桜華
【URL】http://ncode.syosetu.com/n8938h/



[146] RE:「Black Book for Busters」薙月 桜華 Name:尚文産商堂 Date:2009/09/19(土) 21:33
自分が知らない世界で知り合った、大切なものを壊さなければならないという気持ち。私にそのような重圧を耐えれることができるかどうかを考えながら読ませていただきました。まったく意味がわからないままに飛ばされ、理解ができないうちに戦わされ、どうしようもないまま世界を破壊しなければならない。極限ともいえる状況で、彼女はどう行動したのか。そして、読了後の心地よい満足感と、彼女たちのころからを思う気持ち。それらがうまく混ざった作品に仕上がっていると思います。

[189] 巻き込まれ型ファンタジー Name:秋は戻り鰹 Date:2009/09/23(水) 20:48
物語が学園から始まる、「普通の女子生徒」がとんでもない事件に巻き込まれる、異世界ファンタジーの王道パターンである。
ガジェットは黒い本。これが真の主人公と言ってよいだろう。少女鈴花は典型的な巻き込まれヒロインであり、ハルは典型的な狂言回しとして描かれる。
途中、人類最後の一人風味付けもあり、どこまでも見慣れた光景が続く。
しかも敵は洒落た名前を持ってご丁寧に一体ずつ彼女の前に現れる(集団で来れば数式など書いている暇ないだろう)。これはエヴァだ!と思わずニヤリとしてしまった。
そのためか次第に先が見え、辿る力が減退する。これは惜しい。なぜなら作者はきちんと物語る力があるからだ。
SFかファンタジーか、といえば後者だろう。途中、鈴花が魔法使いかと尋ねるとハルはそんな非科学的なことは出来ない、と答えるシーンがあるが、残念ながら私には最後までファンタジーとしか見えなかった。
もちろん作者はこの作品に既存のものを組み合わせて・・・などとは考えていないのは分かる。だから私が言うのは批判ではない。
オリジナル。これは難しい。なにせ先人がいる。星の数ほどあるSFやファンタジーを紐解くと、どこかで見た以外のものをお目にかかるのは珍しい。これは仕方がない。ベルヌとウェルズという2人の先達だけで外枠を埋めてしまった。その派生や突然変異を経て今が有る。全く100%見たことない、などある訳がない。それは別にSFに限らない。創作芸事全てがそうである。
だからこそ「読ませる工夫」「物語る力」に力点が置かれるのだ。
見慣れた風景も別の角度から見れば異界になる。河を眺める、のと、河から眺める、のでは同じ風景も違って見えるのだ。
物語る力はある。あとは工夫だ。
捻るだけではなく違う角度からも見つめて、がんばって貰いたい。


[205] 説教する魔道書 Name:栖坂月 Date:2009/09/25(金) 21:40
他のレビュアーの方も挙げていますが、私も少しばかりエヴァを連想しましたね。あとは電脳コイルを少々という感じでしょうか。とはいっても悪い意味ではなく、話の展開や演出面での見せ方に、そのようなイメージが被ったという印象です。どちらもSFに属するアニメ作品ですし、あるいはそれ自体がSF的な仕掛けだったのかなーと、やや無粋な想像すらしてしまいました。
普通に読むと、ファンタジーなイメージですよね。黒い本はまんま魔道書という感じですし、ハルは使い魔です。
誰もいない異世界、おそらくは並行する世界での孤独な戦闘は、なかなかにスリリングで緊張感を楽しませていただきました。どうして数式なのか、という部分に多少の疑問は残りますが、その因果を前提とした一連のやり取りはしっかりとした読み応えを感じました。
ただ少し、主人公鈴花の設定で、ちょいとばかり気になった部分があります。
それは名前と年齢です。まず名前、フリ仮名がなかったので、彼女の名前の正確な読みがわからなかったんですよ。すずかかなーと思っていますが、りんかとかれいかもありだなーと思ってしまい、たまにリズムが途切れてしまいました。もう一つの年齢は、彼女が中学生なのか高校生なのかわからなかったんですよ。流れと言動を見る限り中学生かなーと思いましたが、高校生かもしれないと、途中で何度か彼女のビジョンを修正してしまいました。その辺りはこちらの勝手でどうぞ、というのもやり方だとは思うのですが、標準的な中学生と数学が苦手な高校生だと、ずいぶん印象が違いますからね。出来ればハッキリしていた方が良かったように思います。
もちろん、畳み掛けるような全体の展開を楽しむ分には、どうでも良いことでしょう。
ちなみに最後、ひょっとしてこれは数学をちゃんと勉強しろよと黒い本に幻覚で怒られただけの話だったんじゃないかと思ったことは秘密です。


[289] RE:「Black Book for Busters」薙月 桜華 Name:坂本伊能 Date:2009/10/09(金) 21:09
「エヴァ」、「電脳コイル」という作品が他レビュアーの方から挙げられていますが、私は「ぼくらの」を思い浮かべました。
ただこの作品の世界観は、並行世界と言うよりかはコンピューター的?
所定の(しかも指定の形で)段階を踏んで実行という形式も、一見は呪術的描写にしか見えませんが、コンピューターと考えるならある程度は理解できます。
コンピューターと言うか、OSですね。コンピューターは結構呪術的な代物なんだと誰かが指摘していた気もしますが、思い出せないので気のせいかも。

ただ正直に言って、この作品は読者に優しくない。
読者が感じる何故については作中で語られませんし、文章も感情移入しづらいぐらいドライで、淡白です。
作者さんの持ち味という事も多分にあるのでしょうが、文章については少なくとも、想像したモノを書く事に費やされている様に見えます。
この辺り、尚文産商堂さんと同じ課題を背負っているかと。
読者にワクワクさせる文章を、もっと具体的に言うなら、どんな設定に読者は心引かれ、それがどの様に描写されれば読者は喜ぶのか、これを考える事です。
そうすれば作品はグッと良くなる筈です。頑張ってください。


[408] RE:「Black Book for Busters」薙月 桜華 Name:羽村奈留 HOME Date:2009/10/21(水) 00:42
あらすじを読んで、怖い話かしらと思い、トイレに行ってから71,203文字数分を読ませて頂きました。
怖いどころか、面白かったです。

やっぱり朝は牛乳を飲むべきですよね。
しかし、その後のいろいろは、主人公が摂取したカロリーより多くて、オチの連続でやっと行き着いた最後のオチは、忘れたのか、オチだけにどこかに落ちてしまったのか。
主人公はいろいろ経験して、学んで、出会いもあったのに、最後のオチが……。
主人公は、また新たな経験を得るのかと思うと、羨ましく思えてならなかったです。

羽村的に言わせて頂くと、
「この頃、家族から離れて独りになりたいと思っておりました。でも、この作品を読んでから、そういえば人生ずっと独りはイヤだと、幼い時の迷子になった経験を思い出しました。思い出す切っ掛けを作って下さった薙月桜華先生、感謝の気持ちでいっぱいです」
です。

投稿お疲れ様でした。
今後も更なる発展とご活躍をお祈り申し上げます。


[592] 感想 Name:中瀬美嘉 Date:2009/10/31(土) 08:04
 単調な文は読み手の想像力の広がりを抑止する。作者はそれに気づいていないのではないかと思いながら何とか読み終えた。
 物語は唐突で、何故彼女が選ばれたのかはっきりわからぬままどんどん展開……と言いたいところだが、読んでる方としてはそうはいかなかった。詰まるところ、やはり文章の書き方の問題では無かろうか。描写は丁寧だが、丁寧すぎる。必要のないところを思い切り削除する勇気が欲しい。
 読者は彼女の一挙手一投足を期待してはいない。ある程度想像に任せて欲しい部分もある。朝起きてから夜寝るまでを克明に記すのは観察記であって小説ではない。もし、物語としての起伏を望むのであればこれらに配慮すべきだろう。物語の肝心な部分だけを抜き出せば、恐らく2/3程度にまで縮小できたのではないかというのが正直なところだ。
 他のレビュアーの言うように、感情移入の難しい語りである。その理由として文の構成に些か問題点があったと私は指摘する。
 文頭接続詞の多用。「すると」「しかし」これを省いた文章作りを心がけてはどうか。文末の「である」は、論文には使用するが小説には向かない。断定的事項の提示の場合のみに使用すべき。文章内でどの程度「すると」「しかし」「である」が使用されていたかどうか。調べるのであれば、「Ctrl」+「F」で確認してみれば一目瞭然である。
 話の筋からすれば私としては「ガッシュ」を思い浮かべるところだが、とどのつまりファンタジーよりであったことは否めない。それでも並行世界という難しいところにチャレンジし書き上げたことには拍手を送りたいと思う。……結末には多少不満はあるが。


[615] RE:「Black Book for Busters」薙月 桜華 Name:鳥野 新 Date:2009/10/31(土) 22:31
 典型的な巻き込まれ型の主人公ですね。敵との戦いも独創的で面白かったけど、自分なら解けるかな〜とちょっと不安になりました。私が彼女ならこんなことならもっと勉強しておけばよかったと悔やんだかも。彼女はそつなくこなしたけれど、凡ミスで間違えたりする状況も設定して欲しかったですね。
 おもしろく読めました。


[641] 感想・レビューありがとうございました。 Name:薙月 桜華 Date:2009/11/20(金) 06:23
頂いた感想について

>尚文産商堂さん
結果、破壊者は自分だったということです。正確には彼女を破壊する人物が別に居るんですけどね。
戦えるのは彼女一人だけ。孤独な戦いです。ハルがサポート役で居ますけどね。

>秋は戻り鰹さん

まずファンタジーと認識した点は予想通りです。あの作品をまずファンタジーと認識させたかったですから。SFになるのはその後です。
一体ずつ現れるのはエヴァの影響では無くこの世界の仕様です。エヴァがしたかったわけではありません。
読ませる工夫ですか。やはり読者を意識して楽しませることを考えたほうが良いのでしょうかね。
少しでも疑問を持った場合、それを解決する方法がSFなだけです。

>栖坂月さん

まずは電脳コイルはちょっと似ているかもしれません。あれはAR(拡張現実)ですけどね。メガネはありません。
>どうして数式なのか、という部分に多少の疑問は残りますが
何故そうなるかを自分なりにある物事を用いて解決できたとき、それがSF要素になります。面倒ですけどね。
ちなみに鈴花の読みは「すずか」です。最初に括弧で書けば良かったんですがすっかり忘れてました。すみません。
鈴花は中学生か高校生かっていうと中学生ですね。まだ若さがあったほうが良いからです。

>坂本伊能さん
「ぼくらの」が出てきたのも想定内。あの作品もエヴァのように順番に出てきます。
それにコエムシの上から目線がハルに似ているでしょう。コエムシのほうがひどいですけど。
>所定の(しかも指定の形で)段階を踏んで実行という形式
コンピュータでいえばノイマン型コンピュータと呼ばれます。一個ずつ命令を読んで実行していくという形ですね。今の主流です。
>コンピュータは結構呪術的な代物なんだ……
コンピュータはプログラムコードを順に読ませて処理を行っていくので呪術的な代物と言えると思います。
>ただ正直に言って、この作品は読者に優しくない。
はい、全くやさしくありません。作中の何故は今ある材料で導き出してくださいと言っていますから。
説明をあまりに出さなかったとも言えるので今後の課題です。
>どんな設定に読者は心引かれ、それがどの様に描写されれば読者は喜ぶのか
そうですね。もうすこし読者を考えてみます。

>羽村奈留さん

お役に立てたのであればこの作品も存在してよかったということでしょう。
孤独はたまに辛くなるものです。特に、自分以外世界に誰もいないなんて普通なら頭がおかしくなるかと思います。
そこでふんばって強くなるのもありですし、独りを止めるのもありです。

>中瀬美嘉さん
単調というのは短編でも言われました。
正直技術文書を書いている感覚だったのかもしれません。完全にお堅い文章です。
論文と小説は違うと脳が認識しないといけないようです。
>観察記であって小説ではない。
丁寧すぎたと思います。観察記である部分は必要でも丁寧すぎました。
「しかし」「すると」「である」については今後注意してみます。「しかし」や「である」は無意識に書いていたと思います。完全な癖です。
>どのつまりファンタジーよりであったことは否めない。
ファンタジー寄りというよりもファンタジーとして読めるように書いてあります。

>鳥野 新さん

>典型的な巻き込まれ型の主人公ですね。
典型的な巻き込まれというよりも予定された巻き込まれだったりします。
計算については作中一箇所だけ間違えますが一部なのでもう少しバリエーションがあったほうがよかったかなと思います。
計算の凡ミスについては完全版に丸ごと放り投げときます。

全体への自分の感想

ほとんどの方が「これはファンタジーだ」的な事を言ってますが、予想通りです。最低ラインがファンタジーですから。
この作品はSFというクリームをファンタジーというケーキの中に閉じ込めてみただけです。見た目ファンタジー。
味で気が付くかどうかです。気が付かなくてもファンタジー。
極論を言えばハルが言う「非科学的なことは……」を信じればSFです。
他にもSF要素として考えられるものはいくつかあります。
SFを知っている方は「ハル」って何処かで聞いたことありませんでしたか。
それが感想・レビューで全く出てこなかったのは残念です。その分野の小説を書いた方も居たと思います。
そこから芋づる式に考えればすべてがSFにひっくり返るようになってます。
ちなみにSFであるための内容は書き忘れたのではなく、あえてほとんど書かなかっただけです。結果悪かったのかなと思います。
こういうのをSFパンチラ論というらしいです。

それではみなさん感想・レビューありがとうございました。



  


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